深夜、掃き出しのガラス窓を鏡に見立てひとり刀を振る。外が暗いとガラス窓が鏡になる。 1本2本…。徐々に力が入る。これではいけないのだ。型が崩れる。ほらほら肩が前に出ているよ。右手に力が入ると縮こまった姿勢になるのだ。もっと無心に、余分な力を抜いて。ふむふむ少し良くなってきたかな。いやいやまだまだ。上から下に振り下ろすだけなのに、難しい。簡単に出来る人もいる。私はきっと素質がないんだろう。だから身体で覚えなくてはならないのだ。即ち稽古あるのみ。更に振る。うっすらと汗。ベランダに出ると夜風が心地よい。
今日は三日月のはず。
天空には青白い月…はない。刀剣女子、からっぽの月に吠える。
※この写真は8月末みなとみらいのスーパーブルームーン。