納刀の稽古は、以下の順番(三段階)で構成されます。
第一段階:刀を納めない稽古
(切っ先が左手人差し指と親指の“間を通り過ぎた瞬間“で止める)
第二段階:鯉口を合わせる稽古
(刀身と鞘が”ほぼ連続した円弧「以下、円弧と言います」”に近くなるように)
第三段階:刀を納める稽古
(刀身が鞘に支障なく連続的に納められるよう鯉口を操作)
稽古を重ねてきますと上記三段階は一つの連続した動作に”昇華”します。
まず、第一段階で注意すべきは刀身を鞘に納めようとしてはいけません。さらにこの段階では刀身を滑らす際に緩急等も併せて修練する必要があります。
次に第二段階です。この時も同様に刀身を鞘に納めようとしてはいけません。あくまでも円弧を実現させることのみを稽古します。合わせる瞬間は、右手は静止したまま左手のみで鞘と刀身が円弧となるようにします。
さて最後の第三段階ですが、この時も”故意に”刀を納めようとしないことです。刀身を自由落下に任せるつもりで、しかも右手の親指以外の4指は力を抜き、右肘の使い方に留意することが肝要です。
以上の三段階を習得しないで納刀を行えば鞘を傷めたり、左手の怪我の誘因となります。習得した場合には滑らかで、かつ連続的な納刀が可能となります。
補) この稽古法は、縦納刀でも横納刀でも適用されます。